特定の一般社団法人等に対する相続税の課税(概要)
一般社団法人及び一般財団法人(以下「一般社団法人等」という。)の資産が相続税の課税対象とならないことを利用して相続税の負担回避をするケースがあるため、特定の一般社団法人等(以下「特定一般社団法人等」という。)の理事(当該一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者を含む。)が死亡した場合において、特定一般社団法人等を個人とみなして、相続開始の時におけるその特定一般社団法人等の純資産額を、その時における特定一般社団法人等の同族理事の数に1を加えた数で除して計算した金額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、特定一般社団法人等に相続税を課税することとされました。
特定一般社団法人等とは、一般社団法人等のうち次のいずれかの要件を満たすものをいいます。
- 被相続人の相続開始の直前におけるその被相続人に係る同族理事の数が理事の総数に占める割合が2分の1を超えること
- 被相続人の相続の開始前5年以内においてその被相続人に係る同族理事の数が理事の総数に占める割合が2分の1を超える期間の合計が3年以上であること。平成30年3月31日以前の期間は、この2分の1を超える期間に該当しないものとされており、相続開始前5年間の同族理事の割合の判定は、施行日以後の期間のみが対象となります。
特定一般社団法人の同族理事とは、一般社団等理事のうち次に掲げるものをいいます。
- 被相続人
- 被相続人の配偶者又は3親等以内の親族
- 被相続人と事実上婚姻関係と同様の事情にある者(事実婚の配偶者)
- 被相続人の使用人(個人事業者の従業員など)、被相続人から受ける金銭等により生計を維持している者
- (3)又は(4)の者と生計を一にする配偶者又は3親等内の親族
- 次の法人の役員又は使用人(従業員)
- 被相続人が役員となっている法人
- (1)から(5)に掲げる者及びこれらの者と特殊の関係のある法人判定の基礎とした場合に同族会社に該当する法人
経過措置
一般社団法人等が平成30年4月1日前に設立されたものである場合には、令和3年(2021年)4月1日以後にその一般社団法人等の理事である者(当該一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者を含みます。)の死亡について、この規定を適用します。