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高圧線が土地の上にあると地価が下がる?

現地を調べるときは、上も見てチェックしましょう。

区分地上権に準ずる地役権(注)が設定された土地の評価額は、その宅地の自用地としての価額から区分地上権に準ずる地役権の価額を控除して計算します。

(注)区分地上権に準ずる地役権とは、特別高圧架空電線の架設、高圧ガス導管の敷設、飛行場の設置、建築物の建築その他の目的のため、地下又は空間に上下の範囲を決めて設定された地役権で、建造物の設置を制限するものをいい、登記の有無は問いません。

ところで、高圧線の架設が付近を通っていることによる地域の選好性は、その地域全体に影響する価格形成要因ですので、路線価に織り込まれています。しかし、高圧線下の土地は個別要因ですので、その利用制限に応じて評価する必要があります。

まず、高圧線の架設を目的とする地役権の場合、建物に対する建築制限の有無は、電気設備技術基準によりその有無を判定します。

この電気設備技術によると、送電線から一定の距離(離隔距離)以内には建造物等は建築できないこととなっており、使用電圧による建築制限は【表22】のとおりです。

【表22】

使用電圧7,000V超
35,000V以下
35,000V超
170,000V未満
170,000V以上
制限を受ける距離離隔距離3m3mに使用電圧が35,000Vを超える10,000V又はその端数ごとに15cmを加えた値
水平離隔距離送電線が建造物の下方に施設されるときのみ3m3m

利用制限の内容

物理的利用制限による減価要因として、当該線下地部分は建築が制限又は禁止されることになります。

  1. 離隔距離によって建物の高さが制限又は建築禁止
  2. 屋根等の材料規制
    35,000ボルト超170,000ボルト未満の特別高圧架空電線と接近する建造物の上部造営材は、不燃性又は自消性がある難燃性の建築材料によらなければならないこととされています。
  3. 一定の場合に建築が禁止(火災時に爆発・災害の拡大しやすい建物、建築禁止の特約等)その他心理的な減価要因が含まれます。

【図48】

離隔距離

170,000V未満の場合

送電線の下方や側方に建造物等を建築できますが、送電線の外側線より定められた距離(離隔距離)内に建造物等の一部がかからないようにする必要があります。またその構造等にも制約があります。

(計算)

170,000V未満の場合

170,000V以上の場合

上記の離隔距離以内の建築制限の他、送電線の外側線より3mの水平離隔距離内の土地に建造物等を建築できません。

(計算)

170,000V以上の場合

(注)電線からの定められた距離を確保しなければならない。

(注1)電線からの定められた距離を確保しなければならない。

(注2)送電線の外側線より水平3m以内は、建造物の構築はできない。

a:離隔距離
θ:最大横振角度

離隔距離(a)

電圧離隔距離
500,000V10.05メートル以上
275,000V6.6メートル以上
154,000V4.8メートル以上
66,000V3.6メートル以上

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