親子間で時価の異なる宅地を交換した場合の課税関係

親子間で時価の異なる宅地を交換した場合の課税関係

交換差額が高い方の資産の20%以内である場合

父Aが所有している甲土地(時価8,000万円、相続税評価額6,400万円:取得価額800万円)と子どもBが所有している乙土地(時価7,000万円、相続税評価額5,600万円:取得価額1,120万円)を交換した場合、課税関係は次のとおりとなる。

図表Ⅰ-27 時価の異なる宅地の交換(所得税法58条の要件を満たすケース)

時価の異なる宅地の交換(所得税法58条の要件を満たすケース)
時価の異なる宅地の交換(所得税法58条の要件を満たすケース)

所得税法の固定資産の交換の特例は、1年以上所有している固定資産を他の者が1年以上所有している固定資産(交換のために取得したものを除く。)と交換し、交換前の用途と同一の用途に供した場合、交換差額が交換する資産のいずれか高い方の20%以内であれば、確定申告をすることにより、課税の繰延べを可能とする特例である(所法58)。

( 8,000万円 – 7,000万円 )< 8,000万円 x 20%であるから、交換の特例が適用でき所得税法58条の交換の特例を適用する旨の確定申告を行うことにより、譲渡所得の課税は繰り延べられる(甲及び乙は等価とされる部分に対応する各々相手の取得価額を引き継ぐ。)。

差額の1,000万円部分はAからBへの贈与として贈与税の課税対象となる。

Bは7,000万円の土地を譲渡し、8,000万円の土地を取得しているので差額1,000万円が贈与税の課税対象となる(相法7、負担付贈与通達)。

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