小規模宅地等の特例を受けようとする宅地の選択は、相続により取得した財産のうちに、被相続人等の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等のうち特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等がある場合には、相続により財産を取得した者に係る全ての特例対象宅地等のうち、当該個人が取得をした特例対象宅地等又はその一部でこの項の規定の適用を受けるものとして政令で定めるところにより選択をしたものに限り、相続税の課税価格に算入すべき価額は小規模宅地等の価額に小規模宅地等の区分に応じた割合を乗じて計算した金額とすると定められています。(租税特別措置法69条の4)

そして、その手続きは、特例対象宅地等を取得した個人が特例対象宅地等又はその一部について、特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等である小規模宅地等の区分その他の明細を記載した書類を申告書に添付して行うものとされています。(租税特別措置法施行令40条の2)

以上のことから、申告時に選択していない宅地等は小規模宅地等の適用を受けることができないこととなり、その後において適用する宅地の選択替えは原則として認められません。宅地等の評価額に誤りがあり他の宅地等を選択した方が課税価格又は税額が少なくなるとしても、そのことを理由に選択替えをすることはできません。

しかしながら、小規模宅地等の特例の適用がない宅地等を誤って選択をして申告した場合には、修正申告等により改めて選択した小規模宅地等の特例要件を満たしている宅地等について特例の適用が租税特別措置法69条の4に規定する宥恕規定により認められます。

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