路線価方式や宅地比準方式で評価する場合は、その土地に応じた評価手法を正しく適用できるかによって、評価額が大きく変わる場合があるので、素人判断は禁物です。その点、倍率方式は比較的簡単です。
評価の方式には、土地等の評価額を路線価図の路線価を基に計算する「路線価方式」と、固定資産課税台帳の固定資産税評価額を基に計算する「倍率方式」があります。
市街地的形態を形成する地域にある宅地については路線価方式により、その他の地域にある宅地については倍率方式により評価を行います。
「路線価方式」とは、評価対象地が接する路線(接面道路)の路線価に必要な画地調整率を乗じて計算した金額によって評価する方式です。
路線価は、宅地の価額が概ね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに評価した1㎡当たりの価額(単位:千円)で、路線価図に表示されています。
したがって、路線価に地積を掛けて評価した価額は画地調整率を考慮しないため、評価額としての最高限度額に近いものになりますが、その位置や形状等によって調整が行われることが通常です。
「倍率方式」とは、固定資産税評価額に、地価事情の類似する地域ごとに定めた倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式です。原則として、路線価方式のような画地調整はありません。
なお、固定資産税評価額は、所有者に市町村から送付される固定資産税課税物件明細書「評価額」欄に記載されています。