相続又は遺贈により取得した財産を相続税の申告期限までに、公益法人等に贈与した場合、一定の要件を具備しているときには、その財産は非課税財産になります。
相続又は遺贈により財産を取得した人が、取得した財産を法定申告期限までに国または地方公共団体に贈与すると、贈与した財産は相続税の非課税財産になります。これと同様に次の特定の公益法人等に贈与した場合、公益法人等が贈与を受けた財産を2年以内に公益を目的とする事業の用に供すると非課税財産になります。
- 独立行政法人
- 国立大学法人及び大学共同利用機関法人
- 一定の地方独立行政法人
- 公立大学法人
- 自動車安全運転センター
- 日本司法支援センター
- 日本私立学校振興・共催事業団
- 日本赤十字社
- 公益社団法人・財団法人
- 一定の私立学校法人
- 社会福祉法人
- 更生保護法人
- 認定NPO法人
贈与財産に含み益があるときは注意
土地や株式など含み益がある遺産を公益法人等に贈与した時に相続税法の世界で贈与財産が非課税財産とされた場合でも、所得税法の世界では、譲渡所得が相続人に課税される可能性があります。
この場合、遺贈が公益の増進に著しく寄与すること、遺贈された財産(国外財産を除く。)が2年以内に公益目的事業に直接供されるなど一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を得たときは、遺贈がなかったものとみなすこととされています(措置法40①後段)。
- 相続税の手続
相続税の申告書14表に寄付の明細を記載し、領収書と受贈法人が一定の法人であることの証明を添付します - 譲渡所得の承認申請
受贈法人の公益事業の内容を詳細に記載する承認申請書が必要です。