都市伝説:毎年同じ額の贈与をすると危ないってホント?

嘘です。税務署の相続税の調査をしている調査官はみんな、この話を聞くたびに苦笑いをしています。

でも、そのような課税がなされることは実務ではありません。

では、どうしてこのような都市伝説が巷に流布されているのでしょうか。過去には日経新聞にも書かれたことがある「権威ある都市伝説」です(典型的なfake newsですけれど)。


その理由は、自称「相続税の専門家」という人達にあります。

自称「専門家」という人達は、相続税法をきちんと勉強していないで見よう見まねで依頼された申告書を作ったりするばかりか市販の節税本を読みあさって、よく考えもしないで、本に書いてあることをそのまま、セミナーで話したりするのです。

それがいつの間にか新聞記事になったりしているのです(新聞記者もよく理解しないまま書いているのです。なんとも、無責任なことですが。)。

相続税法は、贈与税の課税時期を

書面による贈与は、原則として贈与契約書を作った時

口頭による贈与(口約束)は、贈与を履行した時

としているのです。

ただ、現実には親子や祖父母と孫との間で、わざわざ、そのような契約書を作ることはありません。

そうすると、毎年111万円あげても、5年間にまとめて贈与税を支払えと税務署に言われることはあり得ないのです。

「税務署、そんなに暇じゃないすよ」と税務署員がつぶやいているのが聞こえそうです。