被相続人が亡くなりその遺産の分割について相続人の間で話合いがつかない場合には、家庭裁判所の遺産分割の調停、又は審判の手続を利用することができます。調停手続を利用する場合は遺産分割調停事件として申し立てます。この調停は相続人のうちの一人、もしくは何人かが他の相続人全員を相手方として申し立てるものです。
調停手続では、当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料等を提出してもらったり、遺産について鑑定を行うなどして、事情をよく把握したうえで各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し、解決案を提示したり解決のために必要な助言をし、合意を目指し話合いが進められます。
話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され、裁判官が遺産に属する物、又は権利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して審判をすることになります。
誰が相続人かによって必要書類も変わってきます。遺産分割は相続人全員でしなければならないので、相続人に漏れがないか確認する必要があるからです。
相続人が、被相続人の配偶者と子及びその代襲者(孫)又は子及び代襲者のみ
相続人が、被相続人の配偶者と直系尊属(父母・祖父母等)又は直系尊属のみ
配偶者のみ、配偶者と兄弟姉妹及びその代襲者(甥・姪)又は兄弟姉妹(その代襲者)のみ
言い分を裏付ける証拠書類や領収書(契約書等)がある場合は、そのコピー等を提出することが求められます。
早期の解決を行うにはこのような証拠が必要になります。
調停の申立てにおいては、これらのほかに、財産や債務に関するデータが確認できるもの、その他の財産の状況、生活の状況に関する資料等を提出することになります。
各簡易裁判所で細かい運用を定めている場合があり、詳細に関して質問できます。
申立先の簡易裁判所を管轄する地方裁判所のウェブサイトを確認してください。
裁判所によって求められる書類が違うので十分に確認する必要があります。
簡易裁判所で調停申立書の用紙とその記載方法の見本をよく確認して記載ミスがないように慎重に明記していきましょう。
調停の申立てをする方を「申立人」として、住所と氏名、郵便番号、電話番号などを明記して、相手の住所や氏名をしっかり明記しておきましょう。
提出すべき申立書の数は相手方の数に1を加えた数になります。例えば相手方が1人の場合は2部提出になりますので、忘れずに一部を多く作成する必要があります。
不動産の登記簿謄本又は登記事項証明書は法務局で入手することができます。
相続にトラブルが発生する可能性はよくあります。
他の相続人との不一致が原因で相続の手続きが進まないこともあります。
慎重に遺産分割協議を行い、後にトラブルがないように進めていくことが大切です。
複雑なトラブルや解決できない問題の時には、専門家に相談する必要があります。