共有者に相続人がいない場合について
不動産などを共有している場合で、共有者の一人が相続人のいない状態で死亡した場合、その所有権はどうなるのでしょうか。
この場合、いくつかの段階が踏まれます。
- 1. 相続財産清算人の選任及び相続人捜索の公告
- 利害関係者・検察官などが相続財産清算人の選任を家庭裁判所に申し立てます。
この申立を受けて家庭裁判所が相続財産清算人の選任の審判をしたときは、相続財産の清算人が選任されたことの公告及び相続人を捜すための公告を6か月以上の期間を定めて行い、相続人が名乗り出るのを待ちます。
- 2. 債権者・受遺者に対する債権申し出の公告
- 相続財産清算人は、2か月以上の期間を定めて債権者や受遺者を確認するための公告をします。
なお、1の公告期間満了までにこの公告期間が満了するよう公告します。
- 3. 相続人不存在確定
- 1の公告期間に相続人が現れなかった場合に「相続人不存在」が確定します。
- 4. 特別縁故者からの申し立て
- 相続人不存在が確定してから3か月以内に、「特別縁故者」からの申し立てを受け付けます。
特別縁故者とは、内縁の妻や療養看護を行った知人・親戚などです。
これらの者に財産分与が行われてもなお残余財産があり、その中に被相続人との共有財産が有れば、民法第255条「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がいないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」に従って、共有者のものとなりますが、それ以外は国庫に帰属します。