【質問】
大学が「遺贈寄附」や「相続財産からの寄附」を受けた際に発行する寄附金の「受領証明書」について、「遺贈寄附」や「相続財産からの寄附」用に様式を作成し、文科省などの所轄庁の承認等を受ける必要があるのでしょうか。(所得税、住民税用の様式で足りるのでしょうか)
【結論】
遺贈寄附の場合は、「受領証明書」の様式については既存のもので差し支えございません。
相続財産からの寄附(相続人の方が相続財産を寄附)の場合は、次の項目が盛り込まれているものである必要があります。
なお、国立大学法人及び公立大学法人の場合は、相続税の特例に係る証明書の様式を新たに作る際に文科省の承認等を受ける必要は税務上はございませんが、学校法人の場合はその学校法人が「相続財産からの寄附」の特例の対象となる法人であることについての所轄庁(文科省又は都道府県)の証明が必要となります。
(証明書記載項目)
【説明】
相続税の納税義務者は原則として「個人」とされていますので、遺贈寄附により「法人」が取得した場合は、その寄附財産は相続税の課税対象になりません(相続税法第1条の3)。
上記の場合における相続税の申告に当たっては、「申告書第14表」の「2 出資持分の定めのない法人などに遺贈した財産の明細」に記載するだけで手続は完了し(参考:申告書14表様式)、「受領証明書」等の添付は任意ですので、「所得税、住民税用の様式」を含め適宜の様式で問題ございません。
他方、「相続財産からの寄附」の場合は、特例として非課税とするものですので、上記の項目の記載のある証明書の添付が必要となります(租税特別措置法施行規則第23条の3第2項)。法定の様式はございませんので、上記の記載項目を満たしてさえいれば、形式は適宜のもので差し支えございません。
時折見受けられるトラブル事例として、所得税等の寄附金控除のための証明書を相続税申告書に添付し、記載項目が法律上の要件を満たしていなかったため特例適用が否認されたケースもありますのでご注意ください。