❏ 節税のプロの危ない話
昨年辺りから、一部の銀行や大手の証券会社などが提案している事業承継プランに
「え!?ほんとにそんなプランが可能なの?」という危ない話があります。
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どんな話かといえば、議決権のない株式を使って、大量の同族株式を配当還元評価で移転しようというものです。
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A、B、Cという兄弟が時価9億円の株式(全部で90株)を30株ずつ持っています。
このうちBCが持っている株式を全て無議決権株式にします。
そうすると、B、Cの子供たちB‘やC‘は、中心的な同族株主から外れるからBやCから多額の株式を譲り受けても配当還元評価で贈与税を計算できるというスキームです。
原則的評価で3億円の同族株式を配当還元評価なら300万円で贈与できるというわけです。
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確かに議決権株式は、Aしか持っていないので、形式論理的には、一見間違いのないように見えますが
財産評価基本通達はそれほど甘くはありません。
このような場合に備えて、中心的な同族株主判定においては、
議決権のない株式も議決権のある株式として判定の基礎に入れる
としているのです(財産評価基本通達188(2)、188-5)
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世の中には、お客様に節税提案をする為に、節税本を読み漁っている「プロ」がいます。
彼ら、彼女たちは、相続税法の基本書を通読したことのない人たちがほとんどです。
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税金の相談は資格のある、かつ、経験豊かな(資産税をよく理解している)税理士に相談してください。
「節税のプロ」には、くれぐれもご用心を。