遺言信託とは、信託法では遺言により信託を設定することをいうが(信託法3二)、一般には信託銀行の提供する遺言書の作成・保管・執行に関するサービスのことを指す。
信託銀行の「遺言信託」は、信託銀行が遺言書の作成についてアドバイスし、相続開始時まで遺言書を保管、さらに遺言の執行まで行うサービスである。遺言信託を利用することにより、遺産相続がスムーズに行えるようになる。(2)
(2)出典:全国銀行協会 https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-e/7449/
遺言については、次の次の相続を指定する後継ぎ遺贈型の遺言の効力についてはこれを否定する説が有力とされている。したがって、次の次の相続まで財産の取得者を指定したい場合は、遺言者のみならず推定相続人も遺言を作成する、若しくは、後継ぎ遺贈型信託を設定する必要がある。
遺言代用信託とは、委託者が生前に自己を受益者とする信託を設定し、委託者が死亡したときは指定されている者が受益権を取得する旨の定めのある信託など、遺言に代えて遺言(死因贈与)と同様の機能を持たせた信託を言う。
遺言がいつでも撤回できるのと同様に、委託者は受益者を変更できる。しかしながら、この委託者の受益者変更権については別段の定めによることもできるので(信託法90①)、遺言の場合とは異なり、委託者が単独で変更できない遺言代用信託を設定することも可能である。