信託受益権を売買により取得した場合、不動産を売買により取得した場合に比べて登録免許税・不動産取得税、印紙税の負担が非常に少なくなる。

そのため、特に高額の事業用不動産の場合、当該不動産を信託財産としたうえで信託受益権の売買が行われることが多くある。

ただし、信託を終了した場合には登録免許税・不動産取得税が課税されるので、売主による信託登記を経て信託受益権を取得しても、その後信託が終了した場合は、実質的な税負担の軽減はないということになる。信託受益権を取得し、信託受益権のまま譲渡して初めて実質的な負担の軽減が発生することになる。

図表Ⅴ-11 信託受益に対する課税

売買による取得信託受益権の取得
登録免許税最大2%不動産1個につき1,000円
不動産取得税最大4%
印紙税最大540,000円200円

(注1)登録免許税:土地の売買について、H24.4.1~H29.3.31は1.5%。

(注2)不動産取得税:住宅の売買について、H18.4.1~H30.3.31は3%。

(注3)印紙税:受益権の譲渡契約書は、譲渡金額が1万円未満の場合は非課税。

なお、不動産所有権の信託登記をする場合は、最大0.4%の登録免許税が発生する(不動産取得税は課税されない。信託契約書の印紙税は200円)。

図表Ⅴ-12 不動産所有権の信託登記にかかる登録免許税

土地建物
登録免許税0.4%0.4%

(注)土地について、H24.4.1~H29.3.31は0.3%。

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